東京魔人学園剣風帖



【ある日の魔人学園】

昼休み、中庭でいつものように5人仲良くお昼を食べる。
そんな事が習慣となりつつある日の事。

「ふぁーあ・・・・・・・・。」
かなり眠そうに伸びをする色素の薄い、見てくれは優男風の
木刀を背に抱えた少年を呆れたように見るガタイの良い青年。
「何欠伸してるんだ、お前は。さっきまであんなに
良く寝てたくせに。」
「それとこれとは別、今の俺には犬神のムサ苦しい顔に
起こされた事の方が尾を引いてるんだっ。」
「馬鹿言ってるよ、授業中に寝る方がどうかしてるんだろ〜?」
元気の良いショートカットの少女があまりにも当然だ、と言わんばかりの
意見をする。
全工程の授業をずっと寝て過ごすだなんて常人技じゃない。
「ぐっ・・・。」
「ふふふ・・・京一君も災難だったかもしれないけど龍麻も大変
だったのよ。」
聖女のような清らかな笑みを浮かべながら学園一の美少女は
京一と呼ばれた少年を落ち着かせようと今日一番の不運者の
名を挙げた。傍らの少女もそれに強く同意し腕を組みながら
うんうんと頷く。
「そうそう!ビックリして緋勇君に抱き着いちゃうんだもん。
緋勇君目を白黒させてたよっ。」
隣で苦笑している穏やかな友人に青年は目を向けた。
元々彼はあんまり困ると言うことを表現しないからなのだろうが
どうも穏やかに笑われて躱されてるような気がしていただけに
驚いていたという事をこの目で見れなかった事が気に食わない。
「おい、ひーちゃんっ。驚くならなんで俺の前で驚かないんだっ。」
「いや・・・・だって京一が人の首に抱きついて離れなかったから
見れないんであって・・・・俺の所為では・・・・。」
「違う、そいつは違うぜっ。いっつも俺の前ではにっこにっこ
笑いやがって〜〜〜ッ!たまには違う顔もして見せろいっ。」
「ははは・・・・・京一、無茶を言うな。」
「そうだよ、緋勇君困ってるじゃないかっ。」
「へ・・・・・困ってる・・・・?」
・・・・いつもの顔だが。
目の前の相棒はいつものように穏やかな顔。
ど、何処が困ってるんだ?何処がっ?
「俺には・・・いつもの顔にみえるんですけど・・・・?」
「もう、信じられないっ。ほら見てごらんよ、こんなに困った顔
してるのに何で京一は気付かないかなぁ・・・・。」
「だ、だってよぉ・・・・・・。」
全く同じにしか見えないのだから仕方ないではないか。
「おい、ひーちゃんっ。」
「なんだい?」
「本っっっっ当にお前困ってるのか?」
「うん。」
友人の後ろで笑いながら頷く少女・・・・何故お前が答えるかっ。
「小蒔っ、テメェには聞いてないっ、黙ってろいっ。
おう、どうなんだ、ひーちゃんっ。」
「京一はどう思う?俺が驚いてると思うかい?」
「・・・わかんねぇから聞いてんだって。」
「ま、それはご想像にお任せするよって事で・・・・そろそろ予鈴が鳴るよ?
教室へ戻ろう。」
「そうね、次の授業はマリア先生だし・・・・サボったらなんて言われるか・・・。」
「うん、じゃあ京一置いて行こうかっ」
「こら、まて桜井俺を置いていくな。」
「あはは、醍醐君を置いていきはしないよ、はやくいこ?」
「ああ。」
「オイ、コラおまえら、ちょっと待て〜〜〜ッ。」

こうして京一の叫びも空しく、4人は教室へと向かいだした。
・・・ただ一つ、表情の変化という疑問を自分の胸に落して。






COPYRIGHT(c)帝釈天 ALL RIGHTS RESERVED


森生よりひとこと
帝釈天さまよりサイトの8000HIT記念をかねていただきました♪
東京魔人学園剣風帖でいただけるとは大感激です。
このゲームは本当に仲間との高校生活が楽しいゲームなんですよね。
キャラクターの独り独りがいきいきしていて、こんな仲間がいたら
危険だろうが何だろうが、楽しいには違いあるまいと思ってしまいます
戴いたお話も、そういう仲間との関係が楽しくって嬉しいです♪
帝釈天さま、ありがとうございました!





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