「お帰りなさい、景時さん!」
京邸へ戻った景時は、望美に元気に迎えられ驚く。
「た、ただいま〜。どうしたの」
「? どうしたのって、変ですか?」
変ではないが、一瞬、望美の記憶が戻ったのかと思ってしまったのだ。いつも望美はこうやって景時を迎えてくれたから。
「そうしてたって邸の人に聞いたんです。それに、私もそうやって景時さんをお迎えしたいな〜って思ったから」
にっこりと笑って望美はそう言った。その笑顔が景時には解せない。無理をしているようには見えないけれど、でも、好きでもないのに夫婦だと言われた男に対してこの屈託のなさは一体なんなのか。
「景時さん、私、無理してるわけじゃありませんからね?」
呆然とした体の景時を気遣ってか望美がそう言う。しかし、景時はそう望美に言われてもかえってどうして良いのかわからなくなってしまいそうだった。こんな風に、いつもと変わらないように優しくされると期待してしまうではないか。触れてもいいと言われているのかと勘違いしてしまいそうではないか。
ただ、景時にわかるのは記憶があろうとなかろうと、望美は変わらず眩しい存在であるということだけだった。きっと、自分が望美と過ごした記憶を無くしたとしても、彼女と出会ったなら何度でも恋に落ちてしまうだろう。久しぶりの一人寝を余儀なくされたその夜、景時はなかなか眠ることができなかった。
明くる日、望美が大変なのだから仕事よりもそちらを、と九郎の好意で休みをもらった景時は、気持ちを落ち着けようと早朝から洗濯に勤しんだ。取りあえず、目の前の洗い物の汚れを落とすことだけに集中していれば、余計なことは考えずに済むようで気分は紛れる。こんな気持ちで洗濯をするのは久しぶりだった。そうだ、自分が人に言えない秘密をずっと抱えていたとき、それを忘れるように洗濯に逃げていた。望美が来てくれてから、それは望美と触れあう貴重な時間に代わり、景時は洗濯する自分に罪悪感を感じなくても良くなったのだが。今日ばかりはそういう気分になれなかった。どうすれば良いか、その答えからまるで自分は逃げているようだ。
「あ、景時さん、見つけた! やっぱりここでしたね」
ところが、そんな景時に望美がまた声をかけてくる。それだけならまだしも、そのまま階から庭に降りて景時の傍らまでやってきた。
「お洗濯、私も一緒にやります! お手伝いさせてくださいね」
さらりと長い髪を器用にその場で結んでみせると望美は小袖にたすきをかけて景時の向かいにしゃがみ込んだ。そしてそのまま盥に手を突っ込む。
「の、望美ちゃん、いいよ、いいよ!」
景時の声も聞こえないかのように、望美はためらわずにそのまま盥の中の洗濯ものをごしごしと擦りだした。そんな望美に景時は目を奪われる。
「君は……」
思わず声になる言葉に望美が顔を上げて景時を見つめた。
「……君は、どうなっても変わらないんだね。いつも真っ直ぐできらきら眩しくて……」
景時の言葉に望美の頬が赤く染まる。
「か、景時さんってば、そんな……」
照れ隠しに笑って誤魔化そうとした望美は、けれど景時の瞳の思いのほかの真摯さに口をつぐんでしまう。
「……オレには、本当にもったいない人だって思うよ」
冗談めかして笑いながら景時はそう言ったが、その笑いは哀しげで望美は視線を外せなくなってしまった。
「本当に、オレにはもったいない人だから、君の願いならなんでも叶えたいってオレは思った。
それは今ももちろん変わらないんだよ」
「じゃ、じゃあ、私のお願いは何でも聞いてくれるんですよね?
だったら、お洗濯もずっと一緒にさせてください」
景時の言葉に高鳴る鼓動を誤魔化すように望美は明るくそう言った。景時はその言葉に微笑みを零す。かつて望美が同じ言葉を紡いだことを思い出したのだ。
『これからは、お洗濯、一緒にさせてくださいね!』
そのときの望美のちょっと照れたような笑顔を今もはっきりと景時は覚えている。そのときの自分も随分と照れた顔をしていたことだろう。けれど、そのひと時の思い出を自分だけしか覚えていないのが、とても、哀しかった。
望美はほう、と小さく溜息をついた。それを目にとめた朔が声をかける。
「どうしたの、望美。やっぱり毎日過ごし辛いかしら」
自分が何も知らないのに、周りの人間が皆自分のことを知っているというのは疲れるだろうと朔も景時も随分と気を遣ってくれているのは望美にもよくわかっていたし、望美自身はそのあたりは全く気にしていなかったので大きく首を振る。
「そんなことないない、むしろ、なんか面白いなあって。私ってそんなだったんだあ、って」
それは本当で、なんだか不思議な感じで面白かった。邸の者たちに話を聞いても、望美が景時の妻となってくれて良かった、これで殿もご安心だ、などと言われるばかりで照れくさいやら面白いやら。そして、そうした邸の者たちの話を聞いてますます自分の夫であるらしい景時のことがとても気になった。自分はこの人のどんなところに恋をしたのだろう。元の世界を棄ててまで傍に留まりたいと思ったその想いを育んだのは、どんな出来事だったのだろう、そんなことが気になって、邸に景時がいるときは、こっそり彼の姿を伺うようになってしまった。しかし。仮にも夫婦だったというのに、景時は随分と望美によそよそしい。それが少し望美には不満なのだった。
「景時さん、今の私は好きじゃないのかなあ」
自分が記憶をなくしてしまって景時のことを好きかどうかもわかっていないというのに、それが不満だというのも随分と厚かましいことだとは自分でもわかっている。しかし自分を何処か避けようとしている様子が気になって仕方ないのだ。そんな望美の呟きを聞いた朔は苦笑しながら応える。
「……そんなことないと想うわ。兄上は臆病なのよ」
「景時さんが?」
とてもそうは思えない、と望美は朔を見遣った。景時は望美にとってはいつも余裕を持った大人の人で、頼りがいのあるお兄さん、でもとても気さくで話しやすくて、そういう人物だった。
「そうよ、望美のことが好きすぎて、でも何も覚えてない望美に自分の気持ちをぶつけられなくて
だからきっと避けることしかできないのよ。
……男なら、そんなに望美が好きだというなら、潔くもう一度望美に思いの丈をぶつけてみれば良いのに」
わが兄ながら情けない小心者なところは変わらないのね、と朔は溜息をついた。
「ち、違うよ、景時さんは臆病なのとは違うと想う。
私のこと、気遣ってくれてるだけ、優しいだけなの」
自分から言い出しておきながら、朔が景時を悪く言うと望美はむきになってそう反論せずにはいられなかった。その様子に朔が少し目を見張って、それから笑った。
「……望美ったら……」
「え、な、なあに」
「変わらないのね、前もこんなことがあったわ」
朔は懐かしげにそう言った。昼間に景時もそんな風に言って、そんな風な表情をした、と望美は思い出す。そしてちくりと胸が痛んだ。思い出を取り戻したい。正直に言えば、戦も終わったこの世界で自分がすることはもうないんだとわかって、これで元の世界に帰れると思わなかったこともない。けれど、帰ることはいつでもできるけれど、それよりこの世界で自分がどんな時間を過ごしたか、その軌跡をちゃんと知りたいと思った。そして、自分に向けられる想いを知るほどに、元の世界へ戻ることよりも記憶を取り戻したいという願いの方が強くなっていた。変わらず優しくて、なのに時々余所余所しくて、でもどこか寂しげに見える景時に恋したという自分の気持ちを思い出したくなった。
「……望美は、兄上のこと……これからでも、好きになれそう?」
もちろん、それは恋人・夫としてということだろう。望美はその言葉に肩を落とした。
「……わからない。……でも、でもね? 景時さんと夫婦だったって聞かされて……びっくりしたけど、でも……
嫌じゃなかったの。変だけど、そうなんだ、って思ったくらいで。今も別に嫌じゃないの
でも、好きかどうかってわからない。
すごく気になるけど、でも好きだからなのか、そうだって聞かされたからなのか、わからないの」
でも、彼を好きだったという自分の気持ちを思い出したいと強く思っている。それは口にはしなかったけれど、望美は自分のその気持ちを強く自覚したのだった。
「なんだ、景時。もう出てきて大丈夫なのか? 望美の様子はどうなんだ、記憶は戻ったのか」
僅か1日だけの休みで、仕事に出てきた景時に九郎が訝しげな様子で尋ねる。望美の一大事となれば、仕事なぞ何日でも休んで後悔もしないであろう景時が、たった1日の休みで仕事に出てきたのだから当然だ。弁慶もたった一日でも随分と疲れた様子の景時を小首を傾げて興味深く見上げている。
「あ〜……いや、仕事っていうか…うん、ちょっと寄っただけ、なんだけどね」
「そうか。いや、こちらは大丈夫だから気にしなくても良い。望美の傍にいてやれ。
勝手もわからず不安かもしれんからな。そうは思えんが望美も女子だ、心細いと思うこともあるかもしれん」
普段の景時なら聞き逃さないであろう少しばかり失礼な九郎の台詞も今の景時は聞いているのかいないのか、曖昧に頷いてやりすごす。その様子に九郎はやはりまだ望美の容態は芳しくないのだな、と納得して景時を励ますように肩を叩いた。
「きっと大丈夫だ、望美の記憶も戻す方法はあるさ」
その言葉に景時の動きが一瞬止まる。自分の持ち場に積み上げてあった書をがさがさと探っていた景時はその中の一冊をめくり、やがて合点したように頷いた。
「船岡山だ」
「? どうしたのだ、景時」
九郎はもちろん、弁慶も景時の様子を伺う。景時はやっとそんな2人に気付いたように立ち上がって視線を2人へを向けた。けれど、その目を伏せると小さく呟く。
「……記憶が戻ることが、本当に望美ちゃんにとって良いことなのか、まだオレにはわからないんだよ。
このまま、白龍に頼んで元の世界へ戻った方が幸せかもしれないでしょ」
「なっ……お前はバカか!」
九郎が大きな声を上げるが、それに景時は自嘲気味に笑って肩をすくめると
「ごめんね〜、オレちょっと行くところあるから……」
と言い置いて出て行ってしまった。来るのも突然なら去っていくのも突然で、九郎は景時の最後の言葉になにやら言いたいことがありそうだったが、それを弁慶が抑える。
「弁慶っ! 何を言ってるんだ、あのバカは!」
「まあまあ。景時が望美さんのことに関してバカなのは今に始まったわけじゃないでしょう。
しかし、まあ、だからと言って彼の言葉は聞き捨てなりませんねえ……」
「聞き捨てならないって……お前、どうする気だ」
弁慶の静かな言葉の割に剣呑な雰囲気に九郎が少し怯むと、弁慶は人の悪い笑顔で答えた。
「いやですね、僕は何もそんな企んでいるわけではありませんよ。
ただ、景時ときたらまた一人で決め込んでいるようですからね、望美さんに一言言っておいた方が良いかと思うだけですよ。
望美さん自身が、記憶は戻らなくて良い、元の世界に還りたい、そうおっしゃるなら、
僕たちが何を言うこともありませんが。
けれど、望美さんはそういう方ではないと僕は思いますよ……というか、そうでないと困ります。
望美さんを失って腑抜けてしまった景時に仕事をさせるのは随分と骨が折れるでしょうからね」
にっこり笑っていそいそと出かける準備をする弁慶に、それは企むのとは違うのか、とは九郎は尋ねられず、ただ頷くだけだった。
船岡山の山頂にたどり着いた景時は、がさがさとあたりを探り始めた。望美の記憶の欠片があるとすれば、京の要、龍に関する場所であろうと考えたのだ。京の都を護る四神のうち青龍を示すのは鴨川だ。だが、鴨川にはそれらしきものは見つからなかった。望美は白龍の神子で、白龍は神泉苑を通じて降りてくる。そして神泉苑は船岡山の地龍が水を飲みに来る場所と言われているのだった。そんなわけで船岡山に望美の心の欠片を探しにやってきた景時なのだが、この考えに自信があるわけでもなく、望美の心の欠片がどういうものかもわかっていない。実は、先代や初代の龍神の神子にも同じようなことはなかったかと星の一族を訪ねてみたりもしたが、わからなかったのだ。
(……困ったなあ)
これ以上は心当たりもない。闇雲に京の町を走り回って何か見つかるかもわからない。だが、見つからなかったら望美は景時との思い出を失くしたままになる。それは景時にとって辛いことだった。
(……でもそれは、オレの我が儘、なのかもしれないよね)
このまま見つからないなら、本当に元の世界へ帰してやるのが望美のためなのかもしれないと思う。だが、望美を失うことを考えただけで目の前が真っ暗になってしまいそうだった。とはいえ、記憶のない望美がもう一度自分を改めて好きになってくれる自信もない。なんだか、今までのことが都合の良い夢で、そのつけを払わされているような気がした。
(……やっぱり、オレには望美ちゃんはもったいないってことなのかな)
なよたけのかぐや姫は、月へ帰るのが決まりごとなのか。山頂の木陰に座って、景時は、はあ、と深く溜息をついた。いっそ、自分の心の欠片もなくなってしまえばいい。そうしたら……ああ、いやだ、たとえ望美と会えなくなったとしても、彼女のことを忘れたくなどない。
「……望美ちゃん……帰りたいよね、きっと」
彼女の願いはなんだって叶えたいと思った。今も思っている。
「景時さんっ!! 見つけた!!」
そんな景時の物思いをぶち破るような大声が辺りに響き渡る。景時は飛び上がるほどびっくりして声がした方を見遣る。望美が仁王立ちでそこに立ちはだかっていた。
「な、なんで、望美ちゃん、何、どうしたの、ど、どうしてここに……」
ずんずんと景時まで近づいてきた望美は腰に手をあてたまま、身体を折り曲げ景時の顔を覗きこむ。もちろん当たり前なのだが、そんな仕草は変わらないままで、景時は切なくなってしまう。
「弁慶さんに聞きました。なんですか、景時さん、勝手に何か決めちゃってるらしいって聞いたんですけど!
私の記憶が戻る方法、知ってるんですか。なのに私が記憶がないのを良いことに、元の世界に帰しちゃおうって思ってるんですか」
「ちょ、ちょっとちょっと、望美ちゃんっ、ちょっと待って!」
まだ自分の考えさえまとまっていないのに口早に問い詰められて景時は慌ててしまう。
「どうすればいいのかなんて、まだオレにもわからないんだよ」
「どうすればいいのか、なんですか? どうしたいかじゃないんですか」
「だって、これは望美ちゃんの問題だよ? オレがどうしたいか、なんかで決められないよ」
「私と景時さんの問題、じゃないんですか?」
「…………どうして」
「……一応、まだ私としては半分くらい信じられない気持ちですけど、夫婦だからです」
途端に頬を赤くして、それでも怒ったように望美が言う。そんな望美に景時は、どうして、という想いが募る。どうして、こんなになってもまだ彼女は自分なんかを気遣ってくれる優しさを持っているのだろう。
「……オレのことなんか、いいんだよ。望美ちゃんがしたいように、すればいいんだ。
帰りたいでしょう?」
「私が、いつ、帰りたいって言いました?」
「帰りたいでしょう? だって、好きでもない男と夫婦になっちゃってて、
自分がしなくちゃいけないことは終わってて、いつでも帰れるんだよ?」
帰りたくない、という方が信じられない。望美はしかし、首を横に振って言う。
「……帰るのは何時だってできるんでしょう? まだ、私は何も頑張ってないです。
私が今、知りたいのは、私がこの一年の間に、何をして、何を感じてきたのかっていうことです。
それを知らないと先へ進めません。失った記憶をなかったことにして、それでいいなんて言えないんです。
それに……私、知りたいんです。私が好きになった景時さんのこと、もっと知りたいんです」
思わず景時は望美を見上げて呆然となる。望美はこういう人だった、と何度だって思い知らされる。思い知らされる度に、望美を思う気持ちは強くなる。彼女を失いたくない、と強く思う。
「……でも、これ以上一緒にいたら、望美ちゃんの記憶が戻らなくても、帰りたいって言っても
オレが返したくなくなるかもしれないよ?」
「……私、自分が好きになった景時さんのこと、信じてるんです」
「オレは、そんな優しい人間じゃ……」
「……きっと、何度でも私が恋する人なんだって、信じてるんです」
結構、私って一途なんですよ、と望美は笑って言った。景時はその望美の笑顔と言葉に、泣きそうになるのを誤魔化して笑った。望美が手を差し出し、景時はその手を取って立ち上がった。
「帰りましょうか。……っていうか、ここ、何をしに来たんですか?」
「え、ああ、弁慶はそこまでは話さなかったんだね……望美ちゃんが失った心の欠片を探しに来たんだ……」
景時の言葉が終わるか終わらないかのうちに、天空から明るく光る石のようなものが降りてきた。思わず手をかざして光を避けようとしたそのとき、その光が望美の胸にすっと吸い込まれて消えた。途端に、望美の足元がふらつき、立っていられないようにくず折れそうになる。
「の、望美ちゃんっ、大丈夫かいっ」
慌ててそんな望美を支えた景時の腕を、強く望美が掴んだ。
「あぁ……あああ……」
小さく細く望美が呻いて景時にしがみ付くのを、景時は思わず強く抱きしめた。
「望美ちゃん……?」
呼びかけると、応えるように強く景時にしがみ付く望美は、やがてその顔を上げた。
「景時さん……景時さん………」
涙に濡れたその顔に、はっと景時は気付く。景時の表情が変わったのに望美は頷いた。
「……戻ってきたんです、私の、心の欠片……戻ってきたんです」
ああ、と景時の肩から力が抜けた。そのまま景時もその場に尻餅をついてしまい、望美と二人抱き合ったまま座り込んでしまった。
ひとしきりお互いに泣いて笑って、それから手に手を取って京邸へ帰る。飛び出すように出ていった望美を心配していた朔が、仲良く帰ってきた二人を見て、そして望美の記憶が戻ったことに喜び、今度は朔と望美が抱き合って泣いて笑ってと繰り返したのだった。
「どんなに辛い思い出でも、戦や怨霊の思い出でも……
やっぱり、私にとっては大切な記憶です。
もう誰にも奪わせません。…もちろん、景時さんにもですよ?」
本当はあのとき、心の欠片を隠して自分を元の世界へ帰そうとしたのではないかと景時は随分望美から疑われた。
「景時さんは、優しすぎるから、なんでも一人で決めちゃうんですもん。
いいですか、もし万が一、またこういうことがあったら」
さっき、もう誰にも奪わせないと言いながら望美が言う。
「景時さんは、私にもう一度恋をさせてくださいね。
代わりに景時さんが私のことを忘れても、私が何度も恋させちゃいます」
そんなことしなくても、オレは何度だってきっと君に恋をするよ、そう囁いて景時は望美に「景時さんってときどき、無意識でバクダン発言だよね」と言われることになるのだった。