(12) 俺は、奴が許せなかった。 あんなにも一途に奴のことを思っていたその心を足蹴にされ、あいつが傷付かないわけはない。 だが、俺がそのことを知り奴を攻撃しようとすると、あいつは「余計なことをしないで」と言って俺を止めやがるんだ…。 奴の心はもとより、あいつの心も俺には分からなくなった。 日がたつにつれて、箪笥の上に無造作に置かれていく小切手の数が増えていく…。 日がたつにつれて、少しずつ憔悴していくあいつの姿…。 あいつが憔悴していくのを知っていてなにも出来ないガロンとヴァレル…。 …とうとう、小さな箪笥の上から零れ落ちるほどの量にまで積み重ねられた小切手と、客をとらなくなり家にこもりきりになったあいつの姿を見た時に、俺の怒りは爆発した。 奴の元に行き、どう言うことだと奴を問い詰めた。 奴はこれは自分と彼女との問題だといい、それ以上は何も言おうとはしなかった。 俺は…無抵抗の奴を怒りのままに殴りつけ、あいつは俺が幸せにするから、もう2度とあいつに会うな…と、それだけを言い捨て、奴の元を去った。 憔悴していたあいつが、しばらく娼婦の仕事を休み、インフォス中を旅したいといって、しばらくの間、ガロンとヴァレルを共につれ、俺の前から姿を消した。 半年ほど後になって、旅から元気な姿で戻ってきたあいつは、一人で俺の家を訪ねてきた。 あいつは、はじめて淋しさを感じさせることのない綺麗な微笑をみせながら、娼婦の仕事を止め、事情を知っている人が誰もいないところで、一から生き直したいとあいつは言った。 今度は奴のためではなく、自分の為に生きるのだという…。 娼婦の仕事を止めたのだからと、ガロンとヴァレルも解雇したと、言っていた。 あんなことがありながらも、見事にあいつは立ち直っていたように見えた…。 そのくらい綺麗な微笑を…ずっと俺が見たかったと思っていた微笑を、はじめてあいつは俺に見せたんだ。 俺は、あいつの強さを尊敬し、そんなあいつを守りたくなって…改めて自分の女になって欲しいと願い出た。 だが…あいつはやはり…、俺の願いを断った。 そして、今日ここに来たのは、ダガーを私に返して欲しかったからと、俺に言ったのさ。 あれだけは、恋の形見として一生持っていたいのだ…と。 俺は…ダガーをあいつに返す前に、せめて思い出を作らせてくれと…あいつに言った。 今後、お前に迷惑をかける事も、お前の行方を探すことも一切しねぇ…だから、思い出を俺にくれと言った。 あいつは、ずっと俺にみせていた綺麗な笑顔の影に淋しさをよぎらせながらも…俺の申し出を受け入れてくれた。 俺の為に非情になろうとしても非情になりきれなかった…その優しさと弱さで、あいつは俺の思いを受け止めてくれたのさ。 そうして…俺は、あいつのダガーを返す代わりに、あいつを抱いた…。 俺の一生分の思いをかけて…。 夜中に目を覚ました時…、あいつはもういなかった…。 夢かと思って、あいつに渡そうとしたダガーを見つけようと部屋中を探したが、どうしても見つからねぇ。 そこで、俺は今までのことが夢じゃないことを始めて悟ったんだ。 思い出せば甦ってくるあいつの温もりや柔らかい肌の感触を心の中から消し去ろうとして、俺は、自分の部屋で一人、酒におぼれていた。 そこに、奴が血相を変えて飛び込んできて、俺にいきなり掴みかかってきやがったんだ……。 (13) 奴は俺にむかって「ヴィスティは何処ですか?」と言いやがった。 あいつの行方などはなから知るはずもねぇし、知っていても奴に教えるつもりの無かった俺は知らねぇと答えた。 だが、奴は妙に確信を持った声で知らないはずはないと、俺に向かっていってきた。 知っているのなら、教えてくれと土下座までして、奴は俺に頼んできたのさ。 かつてあいつについていた妖精の一人、シェリーが彼女はここにいると教えてくれた…と。 そして、彼女の自殺をくい止めて欲しいと悲鳴混じりの声で懇願された…と奴は俺に向かって言ったんだ。 そんなはずはねぇと、俺は返した。 今から死のうとしている奴があんな綺麗な微笑を見せるものか…と言い返そうとしたその時、不意にあいつから盗んだダガーのことが思い浮かんだ。 あいつのダガーは、長いこと使っていなかった…にもかかわらず、大切に扱われ、保管されていた。 そう、すぐに人を傷付けることが出来るように…!! なんてこった! あいつにあのダガーを返すべきではなかった…と、今更ながらに後悔した。 あいつは初めから死ぬつもりで俺の家に来たのだ…と、その時俺は確信したんだ。 その時だ。 「ディアン様っ、グリフィン様っ! どっちでもいいから早くヴィスティ様を止めてぇぇぇっ!!」 「お二人共、言い争っている暇があるのでしたら、早く……………ヴィスティ様を止めてくださいっ!」 懐かしい声が頭痛と共に俺の頭の中で鳴り響いた。 慌てて奴のほうを振り向くと、奴も頭を押さえていた。 どうやら奴の頭の中にも響いていたらしい。 そう、あれはあいつについていた妖精、シェリーとリリィの声だと言うことを俺は思い出していたのさ。 けど、俺はあいつの行き場について頭をめぐらせたが、てんで思い浮かばねぇ。 そんな時、「お気に入りの場所で自殺を図った」というガロンの言葉が頭に浮かんだ。 「記憶喪失だった頃のあいつが気に入っていた場所は何処だ!」 俺は奴に聞いた。 それを聞くと、奴がいきなり俺の元を飛び出した。 俺も、話している時間が惜しいとばかりに奴の後を追いかけた。 (14) 「馬に乗ることができますか?」と奴は俺に聞いてきた。 少しだけなら乗れると答えると、奴は俺の分の馬の手配をしたあと、自分はさっさと馬に乗って自分の家のある方角を目指し始めていた。 離されないようになんとかついていこうとすると、奴はあいつに対する思いを少しずつ語ってくれた。 あいつが、先生の家からほど近い丘の上にある雑木林につながる岩棚から見る朝日が好きだと…前に自分に語ってくれたことがあるといった。 そこは、記憶喪失だった頃の自分がはじめてあいつをみつけた場所だと…。 岩棚の上に倒れていたあいつを見たとき、何故か泣きたくなったといっていた……。 自分が天使の勇者として働いていた時の記憶を取り戻してからは、本当に地獄だったと。 何故、自分を裏切ったはずの彼女が人間となってこの地上に降りてきているのか… 彼女を人間にすることが出来た奴に嫉妬する傍ら、彼女が記憶を取り戻して幸せになってくれることを願った日々。 けれど、天使の時であっても、人間であってもあいつの自分に対する態度が変わらなかったが故に、愛しさがますます募っていき……、ついにそれを自分で制御できなくなってしまっていたこと…。 彼女が失踪してからは本当に気が狂いそうだった…いや、今でも気が狂いそうだ…と。 そこまで聞いたとき…奴が今でもあいつを愛している事を知った…。 俺と同じ…いや、俺よりも強い愛情をあいつに対して持っていたのだと気付かされた。 夜通し馬を駆けづめ、やっとのことで丘にたどり着いた時…朝日がべネーラ山脈を染め始めていた…。 それは、やがて丘全体を照らしていき、俺達に信じられない光景を目にさせた。 あいつは…。 あいつは…丘の頂上にある岩棚の上で…奴のダガーを使い自分の首を突いて…倒れていたんだ…。 俺達は…間に合わなかったのさ。 駆けつけた時、あいつは虫の息だった…。 だが、奴は急いであいつの出血を止めようとしていた。 「私は貴女からまだ問いかけの答えを貰っていない…それを貰うまでは…絶対に死なせません!」 半分狂ったように強い口調で奴はそういいながら自分のローブを切り裂き、あいつに対して止血をしていく…。 その姿を見て、何故か俺は奴にはかなわないと思った。 やっとのことで止血が終わり、俺達があいつを静かに動かそうとした時、突然、目が眩むほどの白い光が辺りを包み始めたかと思うと、あいつの身体がふわりと浮き上がり、いつの間に現れていたのか……ヴァレルの手の中にその身体が収まった。そして、その横ではガロンが俺達を睨んでいた…。 それから…。 そいつらの後ろに、白い翼を持つ闇色の髪の天使が中空に浮びながら、瞼一つ動かすことを許さない存在感で俺達があいつの元に行くのを制していたんだ…。 (15) 闇色の髪の天使が、その大きな 翼を広げ、俺達の前でゆっくりと口を開いた。 「我が名は…ジャスティ。ガブリエル様の命により、このインフォスを守護するもの…。」 顔を挙げ…ガロンとヴァレルの方を促しながら…天使はなおも言葉を続けた…。 「この者たちは我の補佐。我の命によりこの世界の前守護者ヴィスティの最低限の身の安全を守ってきていた者達。」 その天使は、何故か俺達を憎んでいるような感じがした。 何処かで見かけたような闇色の瞳には、明らかに憎悪と侮蔑の色が浮んでいた。 吸い込まれるようなその瞳に見覚えのあった俺は、必死にその記憶を探り始めた。 だが…、 その天使が人間となったヴィスティに何の用があるのですか…と奴は、その天使の姿に臆せずに問いただした。 天使は、闇色の瞳に侮蔑を宿し、奴を一瞥しながら、相当低い声音で言葉を放った。 「ディアン・アルヴィース……貴様はこの者の愛情を知りつつも、その愛情を踏みにじり、この者に生きる気力を無くさせ、あまつさえ自殺に追い詰める行動を起こした。どのような理由があろうとも…その行為…弾じて許せるものではない。」 奴が息を飲んだのが俺には分かった…。 天使はなおも言葉を続けた…。 「我はこの者を天界に返してもらうためにここに来た。すでに天使としてこの者を復帰させる準備は全て整っている。後は、この身体に眠る魂を貰いうけるだけだ…。」 天使の言葉にはやけに威圧感があり、俺は、その感覚によって指一本動かすことが出来なかった。 あいつが本気で動いただけでインフォスの半分は吹っ飛ぶだろう…、あいつからは、そんな実力を感じたのさ。 だが…奴は、その威圧感をものともせずに、低い笑いを漏らし始めた。 「勇者としての記憶が戻り、彼女が失踪した間に妖精のシェリーから、全てを聞くことが出来ましたよ。元々はあなた方が天使が優しい彼女を汚い手で脅迫しなければ、彼女は私の元で幸せに暮らせたはず。あなた方に、私の行動をとやかく言われる筋合いはありませんね……。」 奴は、全てを知っていた…。 全てを知った上で彼女に娼婦を辞めさせようと、あのような行動を起こしたのだと俺が理解した時、既に奴はその身体から天使に向かって殺気を放ち始めていた。 「………ヴィスティを…彼女を…返していただきますよ。たとえ誰でも、容赦しません!」 そう言って…彼は、自分が持っていたそのダガーで、天使に向かっていったんだ…。 戦いは、天使の方が圧倒的に有利だった。 天使が、自分の身体から作り出す風によって奴の接近を阻んでいたんだ。 それに、この世界のものは天使に傷をつけることが出来ないのだと、前にあいつに聞いた事があった。 天使の身体から生み出される風が、かまいたちとなって奴を切り刻んでいくさまは、まるで子供が小さな虫をいたぶって遊んでいるようにすら見えた。 「ほらほら…あなたの実力はこの程度なのですか?」 長い銀の髪が無造作に切り裂かれ、奴の衣服が血に染まっていった…。 それでも、奴は、身体を引きずり、隙あらば天使に一撃でも加えられるようにと、天使を見据え、ダガーの狙いを定めていた…。 俺は、指一本動かすことが出来ずに…何も出来ずに奴が傷ついていくのを、ただ、見ていくしか出来なかった。 何故そこで奴を傷付けてまで、天界があいつに固執するんだ? 俺は、奴が傷付いている途中…そんな的外れなことを思い始めた。 あの天使の持っている闇色の瞳に見覚えがあった。 忘れられるはずもない…あれは、あいつが持っている瞳と同じ色だ。 だとしたら…あの天使は… 天使が、酷薄な笑みを浮かべ奴にとどめを刺そうとしたその時、天使が俺にかけていた戒めが一瞬だけ緩まった。 その隙をついて、俺は天使に向かって叫んだんだ。 奴を傷付けてあいつが喜ぶと思っているのか! と…。 俺の言葉を聞いた天使が一瞬だけひるんだその隙をつくように、奴の放ったダガーが天使に刺さった。 それが、深々と天使の喉元に食い込み…、天使の動きを封じた…。 それと共に、奴は力尽き、その場に倒れこんでしまった…。 だが、天使がその場に倒れたかと思うと…、いきなりその場所を中心として、目をあけていられないくらい眩しく白い光が俺達を包み込んだんだ。 (16) 光が俺達を支配した時間は長く続いたようにもみえ、一瞬だけの時間が過ぎ去ったかのように見えた。 やがて、光が辺りと同じ位の明るさに収まったのを確認してから俺が目を見開くと、目の前に、あの闇色の髪の天使がペンギンの着ぐるみをきた妖精と、かげろうの羽をつけた鹿の姿をモチーフにした衣装を着ていた妖精を引き連れて立っていた。 その瞳の中に、暖かいほどの慈愛を含んだ眼差しを、奴…いや、先生の元で倒れているあいつに向けると、天使は俺に一礼し、「二人をよろしくお願いいたします。」 と頭を下げた。 気がつくと、あいつの首筋からはすっかり傷が消えていた…。 先生にも、天使と戦ったあとは全然見られなかった…。 どう言うことだと天使に尋ねると…天使は至極簡単に、幻術を使わせてもらったんだと答えた。 先生が本当に姉様を託すのにふさわしい人かどうか、見極めるために…。 姉様を託すべき人間じゃなかったらそのまま殺してしまうところだったけれど、あなたの一言で思わぬ隙を突かれ、自分がやられてしまったのだから…まぁ、あぶなっかしいところはあるけれど…まだ見所はあるでしょう…と、天使は今もあいつの側で倒れている先生に向かって憎々しい視線を投げ付けた後、あなたにもう一つだけお願いがあると言いやがった。 なんで俺がお前の頼みを聞かなきゃならないんだと答えたら…、 「あなたが姉様にダガーを返す代わりに出した交換条件を、この方にばらしていいのなら別にいいのですがね。」 と、視線を先生の方に向けてそう切り返しやがったんだ。あの天使は。 先生にばれるのは別に良かったんだが…それによってあいつが悲しい顔をするのには絶えられなかった俺だ。 「仕方ねぇから、受けてやる。 …にしても、俺、フラれたんだせ? もう少しいたわりの言葉をくれてもいいんじゃねぇか」 そう文句をいいながら、闇色の髪をした天使に申し出たら、そいつは、あいつが稼いできていた小切手を何処からか出してきて、姉様には目をつぶってもらいますよとウインクしてその3分の1にあたる束を俺の手に握らせ、自分は補佐の妖精と共に空に消えていきやがったのさ。 ………ったく、姉弟そろって、食えねぇ奴だったぜ。 俺はそれから二人を先生の家につれて行き、先生の目覚めを待って、 「もし今度来る時までにあいつが笑顔でいなかったら、今度は俺が先生を殺しに来るから、首洗って待ってろよ」 …と、そういってあの天使のもう一つの願いをかなえるために先生の家を出ていったのさ。 あの天使の願い事は、「氷の姫の存在の揉み消し」だった。 そいつによると、あいつにかかわった貴族や王族の記憶操作はおわったのだが、花街の人間があまりにも多すぎてその記憶操作が出来ないのだそうだ。 そこで、俺の知恵を使って、氷の姫の存在を花街から抹消して欲しいと頼まれたのさ。 そこで役に立ったのがあの小切手だった。 氷の姫のことを忘れることを条件に、花街から全ての娼婦をあの小切手を使い足抜けさせた。 あいつか使っていた娼館から金目のものを抜き取った後であいつの家と一緒に、燃やしたのさ。 それから、その後で「氷の姫のことを口にしたものは…呪われる」という噂をだして、野郎どもの口を塞ぐことにも成功した。 小切手をいろいろ使ったのに、それを有り余る稼ぎが俺の懐に入ったので、俺は久々に子分にぱーーーーっと奢って、最後にあいつのことをぱーーーーっと忘れていくつもりだったのさ。 次に先生の元に行く時に…あいつの心からの幸せそうにしている笑顔が見れるよう…願いながら…な。 ― エピローグ ― …え? 先生とあいつはどうしたかって? …とりあえず元気にやってるみたいだぜ。 この間、また子分が怪我をしたんであいつらの元につれていったら、あいつが俺に抱きついて再会を喜んだんで先生が焼きもちを俺とあいつに焼いたのさ。 そのとばっちりが俺の子分のもとにきつい消毒となって帰ってきたのには…笑ったぜ。 あんな奴でも焼きもちは焼くんだなと笑わせられた。 ああ、そうだ、いつかあいつの元に一緒に行こうな。 気さくな奴だから、すぐ友達になってくれると思うぜ。 ……さ、とりあえず、この話はこれで終わりだ。 明日は早いんだ……とっとと寝ようぜ。 なぁ、明日…俺達とうとう式をあげるんだよな。 楽しみにしてるぜ。 その…お前の…ヴェディング・ドレス姿をよ。 おやすみ。 …おい、寝てるか? 寝てるだろうな…お前、寝つきだけはいいモンな…。 なぁ、お前と巡り合って、俺ははじめてあいつの影から救われたんだ。 お前が、俺のすさんだ心を癒してくれたのさ。 だから……いま、俺の側で寝ているお前に、俺、すごく感謝してる。 こんなこと、目をあけているお前には言えないから…いまここでいうけどな… 俺、お前のこと一生離さねぇから……覚悟しろよ。 ― お わ り ― ■後書きという名の言い訳(3) はー、やーーーーっと終わりました。 はじめて長編小説というものを書きましたが…やはりまだまだ修行がたりませんねー。 チェックするために読み返してみても、伝えたいことの半分も伝わってないなぁと、自分の文章の粗雑さに呆れかえるばかりで、自己嫌悪に陥ってばかり。 やっぱり、もう少しいろいろな人の本を読むことを痛感させられましたね。 表現方法とか、文章展開とか…。 まぁ、私にとっての創作って言うのは…別に人を楽しませるように読ませたいと思って書いてるわけじゃないから、今はこれで充分って思えればいいな…って思ってるんだけれども…でもそれでも自己嫌悪。 …自分を貶めても、むなしいだけなんで、話変えます。 グリフィン君は…お話をしている目の前の彼女のおかげで、失恋から脱することが出来たと思います。 その彼女は…あなたの想像上の人であるかもしれないし、あなた自身であるかもしれません。 どんな風に、彼が失恋の痛みから脱することが出来るのか…それはあなた自身が考えて、想像してみてください。 自己完結でもいいから、そんな風に考えをめぐらせてると、また新たな物語として幕が開きそうな感じがします。 創作は…そこからはじまると思います。 ああ、そうそう。 本編で正体は明かしませんでしたが、もう、言葉遣いとかでバレバレですよね。 作中に出てくるジャスティ君…彼の正体は…ヴィスティの弟です。 ヴィスティを心配したガブリエル様の命により彼はインフォスの守護につきました。 彼は、ローザとフロリンダを連れ、ヴィスティの様子を覗いていて、ディアンの異変に気付き、彼女達の姿を変え…天界の命に違反するとわかった上で彼女の命の最低限の護衛を妖精たちに要求したほどのシス・コンです。 当然、ヴィスティがいるときといないときで、言葉が天と地ほどに違います。 ディアン・ジャスティの水面下での戦い…いつか、そー言うのも書いてみたいです。 このシリーズは後一つ、おとぎばなしの番外編としてグリフィンが消えた直後のアルヴィース家の様子を描いた外伝をかいて、おしまい。読んだ方…感想を下さると、うれしいです。 ではでは。 猫まねき |